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Codex を活用したスマートな会議検索ツールの構築

Codex を活用した迅速で実践的な社内開発により、録画された社内会議を検索可能な知識へ変えた方法をご紹介します。

エグゼクティブサマリー

  • 録画された会議は、十分に活用されていない知識資産です。検索しづらく、見返すには時間がかかり、各チームのドライブに分散しているため、貴重な知見が見過ごされがちです。

  • 3 人のチームが、1 日限りのハッカソンで Callombia を構築しました。録画された通話を自動で文字起こし、タグ付け、要約し、クリップに分割して、世界各地のオフィスから利用できる検索可能な YouTube 風リポジトリにまとめる社内プラットフォームです。

  • すべて Codex で構築したこのソリューションは、OpenAI の埋め込みとコサイン類似度を用いたセマンティック検索により、完全に一致するキーワードがなくても関連箇所を抽出し、さらに RAG チャットボットと通知システムを備えています。

  • かつてなら数週間かかったものを 7 時間で完成させました。Codex のようなコーディングエージェントを活用する AI ネイティブ開発が、製品開発のライフサイクルを大幅に短縮し、社内ハッカソンから真のビジネス価値を引き出せることを示しています。

私と同じように、録画された会議を聞き返す時間も集中力も、なかなか確保できない方は多いでしょう。整理されていないチームドライブを探し回り、今ひとつな雑談を飛ばし、メールやメッセージを送りながらもきちんと聞こうとしなければならないからです。

でも、ずっとそうである必要はないのではないでしょうか。録画された会議のあり方を一変させるものを作れるかもしれません。それが、先日のハッカソンプロジェクトの出発点でした。

わずか 1 日で、エンジニアリング、デリバリー、オペレーションのチームから 50 人が集まり、採用業務の拡張、SoW 作成の効率化、プロジェクトの健全性把握、プロトタイプのリアルタイム生成、録画会議からの知見抽出など、社内各所から寄せられた課題に取り組みました。

この Codex ベースのハッカソンで、私たちは Callombia を構築しました。Callombia は、あらゆる通話を常に活用できる検索可能な資産へ変える、社内版 YouTube です。各通話は自動で文字起こし、タグ付け、要約された後、テーマ別のクリップに分割され、チャンネル(クライアント)とトピック(AI の専門分野)ごとに整理されたリポジトリへ追加されます。これにより、ロンドン、エディンバラ、シンガポール、オーストラリアのどのメンバーも、関心のある通話箇所へすぐにアクセスできます。

親しみやすくブランドに沿った UI でコンテンツを直感的に見つけられ、セマンティック検索と、もちろん RAG AI チャットボットによって、探している情報へ的確にたどり着けます。通知システムも追加したため、同僚は特定のトピックを購読し、関連する新しいクリップが公開された際に通知を受け取れます。

Callombia のすごさは、製品そのものでも、ハッカソン優勝賞金 2,000 ポンドでもありません(ちょっと自慢ですが)。エンジニア 2 人とデリバリーリード 1 人で、これらすべてをわずか 7 時間で構築できたことです。1 年前には不可能でした。コーディングエージェントの進化により、製品開発の全工程は飛躍的に加速しました。このハッカソンは、その得意分野と限界が入り組む最前線を理解するための格好の実験場となりました。では、Codex をどのように活用したのでしょうか。

ソリューションの設計

大量の要件を書き並べるのではなく、まず課題領域と Callombia のビジョンについて、チーム共通の見解をプロンプトとして伝えました。あえて詳細を指定せず、モデルに任せて創造的に考えられる余地を残しました。

10 分ほどやり取りした後、Plan Mode をオンにして要件を絞り込み、構築作業の技術面を固めました。Plan Mode は、考えられるあらゆる状況を先回りして検討した、少し面倒ながらも頼れる友人から質問攻めにされるような感覚です。動画数、セマンティック検索かキーワード検索か、採用するアーキテクチャなどを決めると、以降のプロジェクトの土台となる Markdown ファイルが生成されました。

ソリューションの設計過程を示すスクリーンショット

中核コンポーネントの構築

計画が固まったら、次は Callombia を実際に動かす中核コンポーネントの構築です。つまり、録画された通話を検索可能な資産へ変える次のパイプラインを構築しました。

  1. 動画と文字起こしの取り込み

  2. 意味のある場面ごとの分割

  3. 要約とタグによる情報の付加

  4. フロントエンドから利用できる API 経由での公開

Ed 氏は主に録画素材と文字起こしデータを利用可能な形式に整え、Nico 氏は各場面を見つけられるようにする検索レイヤーを担当しました。Codex を活用することで、2 人はデータモデル、抽出スクリプト、バックエンドの基盤を、手作業よりもはるかに速く構築できました。これにより、単に動画へ文字起こしを添付する以上のものが生まれました。Tesco に関する箇所、戦略の最新情報、採用についての議論など、実際に誰かが見たい通話内の特定の 90 秒を「場面」として取り出せるようになりました。

特に興味深かったのが、この検索レイヤーです。「財務実績」「Tesco のロードマップ」「会話評価」といった語句を入力すると、実際の通話で同じ言葉が一度も使われていなくても、最も関連性の高いクリップへ移動できるようにしたいと考えました。そのため、タイムスタンプ、要約、文字起こしテキスト、メタデータを含むチャンクを作成しました。明確なアーキテクチャを念頭に置き、Codex の力も大いに借りながら、トピック、要約、文字起こしを 1 つの入力にまとめ、OpenAI の text-embedding-3-small モデルを使用して各チャンクの埋め込みを生成しました。その埋め込みをデータベースに保存し、コサイン類似度を使ってユーザーのクエリと全チャンクを比較しました。これにより、単純なキーワード検索ではなく、セマンティック検索レイヤーを実現しました。

精度は非常に高く、ハッカソンのデモでは製品に「魔法」のような感覚をもたらしました。一方で、動画数が増え続ければ、この方法は永続的には拡張できないことも分かっていました。すべてのクエリを全チャンクと比較すると、いずれコストが高くなりすぎるためです。次の自然なステップは、階層化 Navigable Small World など、より効率的な検索戦略を導入することです。これにより比較回数を減らし、コーパスが拡大しても低遅延を維持できます。この機能が動き始めると、Callombia はメディアライブラリというより、知識システムらしくなりました。

優れたハッカソンではよくあることですが、この部分にも反復改善が必要でした。最初のチャンク境界は粗すぎ、一部のタイムスタンプは精度を高める必要があり、タグには範囲が広すぎるものがあり、文字起こしと録画ファイルがきれいに一致しない場合もありました。しかし、まさにそこで価値が発揮されました。Codex のおかげで、セットアップや手戻りに足止めされず、システムをすばやく改良できました。最終的には、クリップや抜粋、実用性の高いセマンティック検索を支えるバックエンドが完成しました。この時点で Callombia は、単なるハッカソンのデモではなく、本物の製品らしくなりました。

フロントエンドの構築と UI

Ed 氏と Nico 氏が取り込み処理と検索・分析レイヤーを構築する一方で、私はフロントエンドを構築しました。自社のフルスタックテンプレートを使い、コードを 1 行も書かずに Web サイトの初版をすばやく立ち上げられました。Web サイトをローカル環境のブラウザで開くよう依頼した後、簡単な箇条書きでフィードバックを伝え、求めていたデザインへ近づけていきました。

1 時間ほどやり取りを重ねると、UI やデザインの経験がまったくない私でも、かなり満足できるものが完成しました。最終成果物は決して完璧ではありませんが、製品を理解してもらうには十分によくできた初版です。

フロントエンドの構築と UI を示すスクリーンショット

コード全体の統合

その日の終わりまでに形にできるよう、作業を分担していました。当然ながら、数時間にわたって各自がほぼ独立して作業した結果、それぞれのローカルブランチで大量の競合が発生しました。

時間をかけて競合を一つずつ丁寧に解消する余裕はなかったため、Codex にリポジトリを丸ごと任せ、競合を自動で修正させることにしました。現時点でエンタープライズ級のソフトウェア開発にこの方法を推奨するつもりはありませんが、リスクの低い環境での効果は驚くべきもので、何時間もの作業を削減できました。

デモ全体の制作

ハッカソンの最後の作業は、審査員向けに Callombia のデモを録画することでした。直感的には Loom を開いて録画したくなりましたが、これは Codex の真価を試す機会であり、現在の能力から少し外れた課題になるかもしれないと考えました。そこで、プロンプトを書き、Callombia の Web サイトへのリンクを渡し、OpenAI の開発者向けプラットフォームで録音した私の音声を添付して、残りを任せました。

最初の試みから非常に見事でした。デモ台本を書き、画面を録画し、私のナレーションを追加して、ほぼ要望どおりに仕上げていました。すぐに満足できなかったのは、ナレーションとデモ映像の同期だけでした。そこで、「必須:ナレーションをデモに表示されている内容と正確に合わせること。ずれがありました(チャットページなど)。最後に、ナレーションと画面収録したデモが合っているか 3 回確認すること。可能なあらゆる手段を使って一致させること。」と指示しました。

この依頼を受けた Codex は、ナレーションと録画を細かな区間に分割し、午後 5 時 30 分の終了と祝杯のビールやピザにぎりぎり間に合うよう、ほぼ完璧に作業を遂行しました。

さらなる AI ネイティブ化

Callombia が、多くの企業に共通する課題を解決することは分かっています。急成長する企業ですべての通話に参加するのは困難ですが、そこで共有される珠玉の知見には計り知れない価値があります。あとは本番環境へ導入するだけです。

しかし、ここには AI ネイティブになるためのさらに大きな教訓があります。エンジニアリングと製品開発の知見を結集し、共通課題に取り組むことの価値です。普段の業務サイクルを離れ、チームを横断して連携し、適度に競い合う環境で取り組んだ結果、少し手を加えれば本番導入できる複数のソリューションが生まれました。これを定期的に実施すれば、顧客向けに構築するソリューションと同じくらい、社内業務も洗練された状態にできます。

著者

George Montagu、Ed Jeffery、Nicolas Franco Gonzalez